序章 3話

Last Updated on 2025年1月1日 by libby03324

男はレヴィに「怯えなくていい。俺は他人の人みたいに君をぶったり、石を投げたりするつもりはないよ」と言って両手をあげ、ウインクをした。

しかし、レヴィは男に対して不快感を持った。彼女は人を選べるほど人から好かれてはいないが、少なくともその男のような落ち着きのない、無知で馬鹿で群れないと生きていけないような年下の男に好感を持つことはできなかった。

レヴィの好みは聡明で、落ち着きがあるが堂々としており、少し厳しくても強い信念と計画性を持った年上の紳士だったからだ。

だからレヴィは男との会話を早く終わらせたかったのだが、男はレヴィが研究員でない身でありながら人の名義を使って論文を発表しているという事実を指摘し、それを使って脅迫して交渉を取り付けた。

男は虚空機関総長の側近であるディナンと名乗り、彼はレヴィに対してフレンドリーに接するが節々から嫌悪感がにじみ出ていた。

ディナンはレヴィに虚空機関の極秘機密データの閲覧権限を与える代わりに、自分のチームで研究の手伝いをすることを提案した。

レヴィは半ば無理矢理チームルームに連れて行かれ、その道中でルビィと比較されたことで非常に苛立つ。

アークス研究同好会のチームは「クローンの制作」が目標として掲げられており、レヴィは強制的に入団させられた。

しかし、レヴィはチームルームにあった実験ポッドに入っていた青い髪のニューマンの男に強く惹かれる。

レヴィは性欲が薄く人間に対して性的興奮はしてこなかったというのに、思わずその男を見て自慰に耽ってしまうほどだった。